ハリヨは氷河期から生きのびてきた希少動物

ハリヨは雷鳥などとともに、氷河期から生きのびてきた数少ない貴重な動物です。

こうしたことから、雷鳥が高山の一部に棲みついたのとおなじように、ハリヨは水温が15度前後の、地下水が豊富に湧き出る一部の地域にしか棲んでいません。

体長は5cm程度で、写真のように背びれと腹部に針を持っています。


進化論のダ−ウィンも研究したハリヨの不思議な行動

産卵期になると、オスは   木の小枝や水草などを集め、肝臓から出る粘液で固めて巣をつくります。

金森の湧水池でも小枝をくわえたオスを見かけますが、絵のような巣はなかなか見つかりません。

そして、写真のようにオスはあごから腹部にかけて鮮やかな朱色に変色します。

これを婚姻色と呼ばれていますが、この頃のオスは、水温計の赤色を見ても、激しく攻撃して撃退しようとします。

その一方で、お腹の大きなメスの前では、求愛ダンスをするといわれています。

進化論で有名なダ−ウィンも、この不思議な行動の意味を研究しました。

     



ハリヨの生息地域は琵琶湖東岸部と岐阜県の一部

ハリヨの生息している地域は、分布図のとおり琵琶湖の東岸部と岐阜県の一部にしか生息していません。

それも、●のところが生息地域ですが、約15年前の調査でも琵琶湖東岸では5カ所しかありません。

■のところは絶滅したハリヨを人口飼育している所です。


なぜ、この限られた地域にしか生息していないのかについて、森誠一氏は
「トゲウオのいる川」で、木曽三川(揖斐川・長良川・木曽川)が結集する西美濃と鈴鹿山系を水源にして琵琶湖にそそぐ琵琶湖湖東南部は、日本有数の淡水域であり、
冷水性の生物が極めて豊富なことがあげられる」

と、説明されています。

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